復活の聖なる徹夜祭 2024年3月30日

先に下記リンク先の聖書箇所を読み、黙想してから動画をご視聴いただくことをお勧めします。

 

朗読箇所のテキスト(日ごとの福音)

第1朗読 創世記 1章1節~2章2節

第2朗読 創世記 22章1節~18節

第3朗読 出エジプト記 14章15節~15章1a節

使徒書の朗読 ローマの教会への手紙 6章3節~11節

福音朗読 マルコによる福音書 16章1節~7節

 

<お説教要約>

今回は教会の典礼の頂点のところ、聖なる徹夜祭です。教会は特に盛大に主の受難と復活を祝うとき、特別な聖書朗読を多く読まれます。実は旧約聖書は7つ用意されています。時間の都合もあるのでだいたい3つくらい読まれます。7つの朗読は救いの歴史をたどる、そしてそれを黙想する意味あいがあります。キリストの受難と復活はどのくらい最初から準備されたかを黙想するわけです。

まず世の創造から始まります。特に人間の創造。主なる神は人間を愛をもって愛のためにご自分との親しい愛の交わりのために造られたのです。しかもきわめてよいものとして造られたのです。人間は神に逆らって離れてそこは失ったのです。そこで主なる神は救いの計画を実施したのです。朗読が進むにつれて、アブラハムの箇所です。アブラハム自身は自分の愛するひとり子を惜しまないほど主なる神に聞きしたがう人でした。しっかりとした信仰に主はそこから救いの計画が始まります。新しい選ばれた民族イスラエル人、イスラエルの民族はずっと育てられ、出エジプト記のできごとを通してご自分の救いの力をはっきりあらわして、イスラエル人にご自分はいつくしみ深い、奴隷の状態・苦しみから救ってくださる神であると、力強い御手をもって導きだされたのです。そしてご自分の民にしたのです。そこで契約を結ばれてずっと民族を育てられたのです。ただイスラエル民族も忠実ではなかったのです。あとの預言書の箇所では主はいつもご自分に立ち返るように願って、従わなかったから捕囚の時代があったんです。捕囚に連れていかれたのです。罪の罰というか清めでもあったのです。それによってあらたな出発になったのです。そこからも解放して新しい心、新しい霊を与えると約束されたのです。

 

そこはキリストによって実現したところです。キリストの受難と復活、あらゆる救いの歴史をはるかに超えている主のみわざ。その時まで主なる神は人を救ってくださったのです。人は死なないように、死ぬところで人間を救ったのです。出エジプトのように。今回はキリストにおいて死んでしまった人を救ってくださったのです。死を超える救い。しかも人間はずっととらわれた罪、救いでもあったのです。聖パウロが強調しているところです。人間はなによりも死を恐れるのです。でも死より怖いことは罪です。罪によってわたしたちは自我にとらわれてからに閉じ込められます。人間は自分自身から救われる必要があるのです。自分自身から救われない場合があるとしたら、その人はずっと永遠に生きるとしてもそれこそ地獄です。その状態で生き続けることは決して幸せになれないのです。かえって苦痛になるのです。重荷になる。人間永遠に生きるには、まず自分自身が救われる必要があるのです。聖パウロの言葉でいうと「キリストは死んで復活された。わたしたちは洗礼によってそれにあずかるようになります。」洗礼は象徴的な動作であずかるのです。水を注いで、ことばをもって、新しい衣をあたえて、光をあたえて、象徴的に死んで復活したことをあずかるのです。動作は象徴的でも事実は恵みのうえでは心のうえでは実現します。

 

聖パウロが説明しているようにわたしたちの古い自分がキリストとともに十字架につけられたのは罪に支配されたからだが滅ぼされ、もはや罪の奴隷にならないためである。」そこで古い自分から新しい自分になる。聖パウロが別のところで説明しているように洗礼の恵みによって聖霊によって神の愛がわたしたちの心に注がれています。愛によって人間は新しくされています。愛のために最初に造られた人間、愛から離れた人間、愛によって新たにされます。なによりも創造された主なる神の愛。人間は主なる神を愛するようになったら、それによって自分自身から救われます。それは恵みと同時に使命です。わたしたちは自分の努力だけでは新しい自分にはならないのです。主の恵みによらなければできないところです。でもその恵みをいただいたものは、それだけで終わってしまうのではなく、その人がその恵みにとどまる必要があります。恵みを生きる使命をもっています。残念ながらその恵みからまた離れる可能性があるのです。この世に生きるかぎり。特に今年のご復活、今後の将来はかなり厳しい将来に向かっているとわたしは思っているのですが、これは大きな大切な機会です。この偉大な神秘。わたしたちに与えたられた希望。すべての希望をキリストにかけるように。死んで復活されたキリスト。死を超える力。罪から解放される力をもっている主にすべての希望をかけてキリストを信じて、なにがあってもキリストから絶対に離れないように。その決心がこのご復活にふさわしい祝い方です。今後祝う復活節のうちにさらに深めて主の偉大な愛と救いに心にとめて思いめぐらし、ありがたさそれに対する感謝と賛美を通してわたしたちはますます心から主を愛するようになって主を求めるようになって新しい自分になっていくように。それはわたしたちに与えられた使命です。