世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会

『神の民への手紙』より抜粋

親愛なる姉妹、兄弟の皆さん、

世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会の第1会期が閉会するにあたり、皆さんとともに、わたしたちが過ごしてきた、素晴らしく豊かな体験を神に感謝したいと思います。わたしたちは皆さんとの深い交わりの中でこの祝福された時を過ごしました。皆さんの祈りに支えられ、皆さんの期待、疑問、そして恐れをともに抱いてきました。教皇フランシスコが2年前に要請したように、耳を傾け識別する、長い歩みが始まりました。それは、すべての神の民に開かれ、誰一人排除されることなく、聖霊の導きのもと、イエス・キリストに従う宣教する弟子として「ともに旅する」ことへと向かう歩みです。

 

(中略)

 

本総会は、危機的状況にある世界の中で開催され、その傷と悲惨な不平等がわたしたちの心に痛切に響き、とくに、戦争が激化している国々から参加した人たちもいて、わたしたちの働きは格別に厳粛なものとなりました。貧困と腐敗のために移住という危険な道を歩まざるを得なかったすべての人々を忘れることなく、死を招く暴力の犠牲者のために祈りました。わたしたちは、正義と平和を築くために活動している世界中の女性と男性とともに、連帯と専心を約束しました。

教皇の招きにより、わたしたちは、互いに耳を傾け合い、自分たちの間で霊における交わりを実現したいと思う気持ちをはぐくむために、多くの時間を沈黙のために費やしました。開会に向けた、エキュメニカルな前晩の祈りの中で、十字架につけられたキリストを静かに観想するうちに、一致への渇きがいかに増してくるかを体験しました。実際、十字架は、世の救いのために自らをささげ、その弟子たちをおん父にゆだね、「すべての人を一つに」(ヨハネ17・21)しようとされた方の、唯一の座です。主の復活によってもたらされた希望のうちに固く結ばれたわたしたちは、大地と貧しい人々の叫びがますます切迫している、わたしたちの共通の家を主にゆだねました。教皇フランシスコが、今回の働きの始まりに思い起こさせたとおりです。「Laudate Deum!(神を讃えよ)」。

 

(後略)

バチカン市

2023年10月25日

(全文はカトリック中央協議会HPにてご覧いただけます)