図書室より 新着本情報(7月)

 

7月に図書室に入った新刊図書をご案内します。

 

*きれい事じゃないんだ、聖書の言葉は ある牧師の聖書と人生をめぐる格闘記  関野和寛  バジリコ株式会社

趣味はロックとキックボクシングというルーテル派牧師の、ド派手な表紙や思い切りぶっちゃけた文体に騙されてはいけません。聖書の超訳ともいえるの現代版のたとえは、昔の話などではなく、今生きている私たちにぐいぐい迫ってきます。キレイ事が通用せず、希望も見えないような場所にこそイエスは居る、あなたの生きる苦しみをイエスは知っているというメッセージが、熱く、しかしナイーヴに語られます。一気読みしてしまいました。

 

*マリアの風に乗って  岡立子  教育評論社

雑誌『カトリック生活』の人気連載をチョイスして書籍化。著者は聖母の騎士修道女会のシスターでマリア論を専攻。「二千年前のナザレで、まだ少女ともいえるマリアは神に、人類の歴史を決定的に変える『はい』を差し出した。」キリスト者として一番求められているのは、自分の部屋(エゴ)から壁を乗り越えて出ていくこと、そして神に委ねること。シスターが修道生活の中でマリアに呼びかける歌は「マリアさま、今日一日、わたしのそばにいて、わたしと共に歩いて下さい。」「あなたが生きた『まったき委ね』の中にわたしも生きることができますように。あなたと共に『お言葉どおり、この身になりますように』と生涯言い続けることができますように。」

 

*DNAに刻まれた神の言語 遺伝学者が神を信じる理由  フランシス・コリンズ  いのちのことば社

著者は人類のDNA配列を解明した「国際ヒトゲノム計画」のリーダー。無神論者だった彼は研究を深めるほどに信仰に導かれてゆき、信仰の原則と科学の原則は相互補完の関係にあると言い切る。本人がたどってきた道だけに、現代人の抱く疑問にひとつひとつ丁寧に答えていくと同時に、聖書の言葉を一字一句字義どうりに受け取っているアメリカの福音教会の信者に対しては、科学研究の結果を無視することは、かえって信仰を危うくすると警告する。宇宙論、生命科学、遺伝学、医学、進化論などの最前線の研究の紹介にもなっている。

『ゲノムと聖書 - 科学者、〈神〉について考える』(2008)の新装改訂版。補遺として「科学と医学における生命倫理を考える」の一項が加筆されている。