図書室より 新着本情報(5月)

 

5月に図書室に入った新刊図書をご案内します。

*神さまの貨物  ジャン=クロード・グランベール  ポプラ社

「むかしむかし、大きな森に、貧しい木こりの夫婦が住んでいました。木こりのおかみさんは毎日子どもを授けたまえと乞い願っていました。そしてある日ユダヤ人収容所へと向かう列車からひとりの赤ん坊が投げ出され、その子を拾って育てていくことになりました。」一気読みしてしまう面白さ。おとぎ話のような味わいと、戦争やホロコーストの悲惨な現実とが絶妙な具合で融合している。その中で愛するものを守ろうとする人間の姿が深い感動をもって迫ってくる。

 

*主日福音のキーワード 小石のひびき[A年][B年]  雨宮慧   女子パウロ会

主日の福音から一日一個の単語を取り上げ、ギリシア語本来の意味領域を明らかにしていくことで、福音の意味するところを大切に読み解いていく。ちなみに今年B年のキーワードは5/23 導き悟らせる(ホデーゲオー)、5/30 命ずる(エンテッロマイ)、6/6 過越祭の食事(パスカ)、6/13 ひとりでに(アウトマトス)、6/20 舟(プロイオン)、6/27 泣く(クライオー)。

 

*祈りへの旅立ち マザー・テレサに導かれて  片柳弘史   ドン・ボスコ社

マザー・テレサの遺した言葉を道しるべとして、イエス・キリストが住んでおられるという心のいちばん奥深い場所を目指して進んでゆく11日間の心の旅。旅に必要なものは:時間、場所、日記帳、聖書、正しい姿勢、そして深い望み。一日ごとにマザーの祈りと旅への招き(=黙想のヒント)、聖書の言葉が添えられている。

 

*樫の木の人 聖クレメンス・ホフバウアー伝  W.ヒューネルマン レデンプトール会訳   レデンプトール修道会

1751年ボヘミアの田舎に生まれたホフバウアーは、パン屋の小僧として働きながらも司祭になる夢を追い求めていた。児童文学か青春文学のように物語は始まるが、やがて彼の人生は、強力な軍事力と新しい思想が席巻していた18世紀ヨーロッパの歴史の渦に巻き込まれていく。ワルシャワではカトリック教会を再建するも、ポーランド分割によってレンデンプトール会は退却させられ、ウィーンではナポレオン進軍の中、啓蒙思想の信奉者やフリーメイソンによって失脚させられそうになる。その歴史のただなかにあって、謙遜で実直な信仰を貫き、若者のよき教師であり、貧しい人々のしもべであった強くたくましい「樫の木」のような聖人の伝記。