聖母マリア、聖ヨセフ、聖霊

教会は昔から5月を「聖母の月」として祝ってきました。今年は聖霊降臨も5月に祝いますが、聖母マリアは聖人の中で誰よりも聖霊に満たされている方です。聖母マリアは無原罪の御宿りと、御子の受肉とを指して「力ある方が、私に偉大なことをなさいました」(ルカ 1:49)と主なる神を賛美しますが、それは聖霊によるみ業です。私たちも聖母マリアの助けを求めたら、益々「一緒に祈り、一緒に歩む」ように聖霊に導いて力付けて頂きます。

大船教会では、教皇フランシスコが今年を「聖ヨセフ年」に定めたことを受けて、5月1日の「労働者聖ヨセフ」の記念日に特別なごミサを捧げて、聖ヨセフのご像を設置する祝いを計画しています。聖母マリアに対する信心は古代教会の時代から発展してきましたが、聖ヨセフに対する信心は15世紀のヨーロッパで芽生えて次第に広がって盛んになりました。聖母マリアの夫とキリストの守護者に選ばれた聖ヨセフは、聖母マリアに次いでキリストの神秘に深く関わった聖人です。社会的な立場が弱くなってきた、様々な大変な試練に遭った教会は次第に、み旨を果たして聖家族を忠実に守った聖ヨセフに、神の家族である教会を聖霊の力によって守って下さることを願うようになりました。「正しい人の祈りは、大きな力があり、効果をもたらします」(ヤコブ 5:16)と言えるなら、ご自分の御独り子を養うように御父が選ばれた「正しい人であった」(マタイ 1:19)聖ヨセフの祈りはどれほど力強いでしょうか。この思いで教皇ピオ9世が150年前に聖ヨセフを「普遍教会の保護者」と宣言し、この思いで教皇フランシスコが教会が生まれて初めての「聖ヨセフ年」を宣言しました。私たちも聖ヨセフに倣ってみ旨を果たして生活ができるように、共同体として益々忠実に聖霊の導きに従って聖霊の力によって「一緒に祈り、一緒に歩む」ことができますように、聖ヨセフの取次を願いましょう。

 

「あがない主の保護者、おとめマリアの夫よ。

神はあなたに御子をゆだね、マリアはあなたを信頼し、

キリストはあなたによって養われ、大人になりました。

聖ヨセフよ、

父親としての姿を私たちにも示し、

日々の歩みを導いてください。

恵みといつくしみと勇気が与えられ、

すべての悪から守られるようにお祈りください。アーメン。」

(教皇フランシスコの使徒的書簡「父の心で」p. 32-33)