「日本の信徒発見の聖母」の祝日に寄せて

日本のカトリック教会の歴史の中で、忘れてはならない奇跡的な出来事があります。幕末に鎖国が解け、長崎に居留をゆるされたフランス人宣教師が建てた大浦天主堂で、250年もの間、一人の司祭もいない中で信仰を守り続けた人々が発見されたのです。それは1865年3月17日のことでした。教会の門の前に立っていた15名ほどの男女がプチジャン神父に近づき、ひとりの婦人が胸に手を当てて尋ねました。

 

 

「ここにおります私たちは皆、あなた様と同じ心でございます。サンタ・マリアのご像はどこ?」(以下は、「祈り:日本の信徒発見百五十年~先達の信仰を受け継ぐ~」女子パウロ会冊子からの引用です。)

 

1865年3月17日、この日は「長崎の信徒発見記念日」として祝われてきましたが、この出来事から150年、2015年3月17日からは、日本固有の祝日「日本の信徒発見の聖母」として祝われます。

 

高見三明長崎大司教は、こう書いています。「信徒発見の出来事は、日本の教会の成り立ちと継承されてきた信仰の正統性、その使命が刻まれています。この出来事を体験した潜伏キリシタンは、日本の教会の一員でした。従って信徒発見という神の不思議なみわざは、長崎の出来事ではなく、ザビエルから始まって成長と殉教と潜伏の歴史を通して信仰をはぐくみ伝えてきた日本の教会の『信仰の原体験』なのです。」

(長崎教区「カトリック教報」2014年1月1日号より)

 

今般の事情から今年もこの日のミサはありませんが、わたしたちも先達の信仰を受け継いで祈りたいと思います。