図書室より 新着本情報(2月)

 

2月に図書室に入った新刊図書をご案内します。

信仰の神秘  小笠原 優  イー・ピックス

洗礼を受けて「過ぎ越しの奥義」に参与し、キリスト信者となった人が、これからどのように神の恵みに応じていったらよいのか。どのように「信仰の神秘」を日々の歩みにおいて具体的に実践していったらいいのか ー いわばキリスト教のエッセンスを生きていくための手引書。 どこからでも読めて、そこから啓示に照らされたキリスト教の人間観と、信仰の深みと喜びに導いてくれる一冊。

 

ヴェイユの言葉  シモーヌ・ヴェイユ  冨原眞弓編訳  みすず書房

生前にまとまった著作を残さなかったヴェイユ。その残された断章や書簡が、5つのカテゴリーに分類されて、執筆年代順に収録されていている。1 自己と他者、2 神と必然、3 悪・不幸・十字架、4 力と社会、5 正義と芸術。

ヴェイユに興味がなくもないが、何を読んだらいいかわからないという読者へのかっこうの導入書。

 

天、共に在り  中村 哲  NHK出版

- アフガニスタン三十年の闘い -

アフガニスタンで医療に従事した後、1600本の井戸を掘り、25キロに及ぶ用水路を拓いた中村医師の唯一の自伝。用水路ができる前の砂漠の写真と開拓後の緑地の写真を見比べると、その仕事の大きさに胸を打たれる。想像を絶する悪条件(旱魃、洪水、空爆、治安悪化)の中での工事、そしてそれを成し遂げた知恵と人々の努力と信頼関係がいかに武力に勝ることか。「天、共に在り」とは「インマヌエル」の意。

 

【絵本】カカ・ムラド ー ナカムラのおじさん  原作:ガフワラ(NPO)  訳・文 さだまさし  双葉社

2019年アフガニスタンで凶弾に倒れた中村哲さん。その中村医師の功績を後世に伝えるために現地で刊行された絵本。「カカ・ムラド」は中村さんが行ってきたことを事実をもとに描いた創作。「カカ・ムラドと魔法の小箱」は作者がイメージした中村さんが登場するファンタジー。訳を担当したさだまさしは20年5月にリリースしたアルバムで、追悼の気持ちを込めた曲『ひと粒の麦』を発表している。間に挟まれた解説「一隅を照らす〜中村医師の生き方」で、中村さんの生涯と業績、信仰と思想、現地の声を読むことができる。