年間第26主日 2020年9月27日

先に下記リンク先の聖書箇所を読み、黙想してから動画をご視聴いただくことをお勧めします。

 

朗読箇所のテキスト(日ごとの福音)

 

第1朗読 エゼキエル書 18章25~28節

第2朗読 フィリピの信徒への手紙 2章1~11節

福音朗読 マタイによる福音書 21章28~32節

 

 

<お話の要約>

みなさんこんにちは。今日のキリストの話はもう一つのたとえ話です。他のたとえ話より短い二人の息子の話です。短いたとえ話の中でも大事な教訓があります。たとえば一つは言葉より行いが大事。キリストの問いかけには、どちらが父親ののぞみ通りにしたかというと兄のほうです。兄はいやだと行っても結局父親が頼んだことをやりました。弟はやらなかった。言葉より行動・行いが大事。口先より実践が大事と皆認めています。教会としては課題にもなる。

昔、日本に来たのはNICE-1のあとだった。全国会議のNICEの一つの大事なテーマは、信仰と生活の遊離。信じていることと実際に生活で行われていることのギャップ。その時も指摘されていた。今日にいたるまでも今後も課題として残る。人間は完全にならないかぎりそういうことがある。その意味では行いに注意すべきと言う一つの教訓。もう一つの教訓は過去のことより将来が大事。例えば犯罪人が刑務所から出たとき、社会的にはその人をなかなか受け入れない。機会・チャンスは与えられない。信用しない傾向がある。でも神さまの前では違う。回心したら過去のことは問題ではない。もうしばられていない。それは福音書の良い知らせの大事な要素。

 

救われようのない人はまずいない。みんな救われる可能性がある。キリストは徴税人や娼婦たち、当時の典型的な罪人だがその人たちはファリサイ派の人たちより先に天国に入ると言われた。なぜかというとヨハネの説教をきいて回心したから。当時は救われようのない人と思われた人も神の恵みによって救われる。過去のことはおいておいて回心したから神さまは赦してくれる。天国に入る。いわゆる天国泥棒も共感的な例。死ぬ間際に回心して、そこで天国に入った。聖書にものっている。そのことは慰めだけではなく警告にもなる。第1朗読にみられるように悪人が悪から離れて正義と恵みのわざをおこなって命をえる。そういう慰めもある。旧約時代にも示されている。反面、正しい人が正しさから離れて不正を行い、そのゆえに死ぬという警告。

 

ようは人が正しい生活を送っているとき「自分は大丈夫。これからもそうするから問題ない」と思ったら大間違い。それは自信過剰。一つのおごり。私たちの弱さから神さまから離れる可能性はじゅうぶんある。神さまは私たちを愛してくださる。恵みを与えてくださるが、人間には自由意志があるから神さまから離れてしまうおそれもある。教会もそのことを意識して人を聖人と宣言するときは、生前たくさんの奇跡をおこしたとしても、生前の奇跡は聖人と宣言するためには認められない。死んでからの人の取りなしによる奇跡だけ聖人になった証拠として認められる。なぜかというとちょうどこのところ。その人がいくら生前に奇跡をおこしたとしても最後の最後まで忠実だったかどうか。前の奇跡は保証にならない。死んでから保証になる。地獄にいる人は奇跡をおこさない。

 

また教会として一つ大事にしているのは人生の最後まで忠実に堪え忍べる恵みを願うこと。自分の弱さを意識している人、神さまから離れることをおそれている人はその恵みを願う。キリストも私たちに願うように教えている。主の祈りの最後の部分。「誘惑におちいらせず悪からお救いください。」この恵みを願うことも含められている。人生の最後まで忠実に堪え忍べる恵み。死ぬときは重要なときである。神さまは悪人をあわれんで死ぬ前に特別に恵みをあたえて最後の回心のチャンスをあたえている。反面、悪魔は人から神さまを引き離す最後のチャンスだから攻撃する。

 

恵みをねがって主のたすけ、または聖母マリアのとりつぎを願います。アベマリアの祈り「神の母聖マリア私たち罪人のために今も死を迎えるときもお祈りください」これは特別にそのときをさしています。私たちの死ぬときは人生の頂点です。頂点とまとめ。どんな心で死を迎えるかによって、私達の永遠の状態が決定されます。それだけ重要なもの。よく生きていく人キリストにしたがっていこうとする人、キリストを求めている人は、主の恵みによって最後まで忠実に堪え忍べます。そうでない人、あとで回心しようとする人は時間がなくなります。そこは重要なところです。それによって私たちの永遠の状態がかかっています。私たちはそのことについても主を信頼するように呼ばれています。重要なときにそなえて、私たちも主のめぐみを願って生活を送っているとやがて私たちは悪から救われて誘惑におちいらないで永遠の命にはいります。