図書室より 新着本情報(9月)

 

9月に図書室に入った新刊をご案内します。

 

パンデミック後の選択  教皇フランシスコ   カトリック中央協議会

2020年、コロナ禍の四旬節から復活祭にかけての8つの説教と書簡。新型コロナの流行によってますます取り残される貧しい人々、弱い立場にある人々に目を注ぎ続ける教皇さまは、「より悪質な、無関心なエゴイズムというウイルス」に注意を喚起し、この緊急事態は「何よりも連帯という抗体によって克服される」と説きます。そして苦しみと困難の最中にも「神がともにいてくだされば、いのちは決して失われないのです」と希望の種を蒔き、祈りへと誘って下さいます。聖母マリアへのふたつの祈りが付いています。

 

いのちの巡礼者 教皇フランシスコの祈り  若松英輔  亜紀書房

「パパ様の来日が去年で良かった!」外出もままならず、海外との行き来もできなくなった今、一年前のことが夢のように感じられ、「Protect all life (すべてのいのちを守る)」という言葉は予言のように響きます。全行程をともにしたカトリックの評論家若松氏による、教皇さまの言葉(いのり)のまたとない解説。日本のメディアに寄せた文は、教皇フランシスコの紹介にとどまらず、カトリック教会やヴァチカンの紹介になっています。

 

新約聖書外典  荒井献〔編〕  講談社文芸文庫

新約聖書に収められなかった外典より11の文書を選択・編集した本。聖アンナと聖ヨアキムとマリア誕生の物語と幼少時代を描いたヤコブ原福音書などが載っている。外典は正典と比較すると思想性が乏しいと言われているが、西洋の芸術作品のモチーフとなった話も多く、「物語」として読む分にはかまわないかな。

 

修道院の風  原 造  女子パウロ会

ファッション業界で忙しく働いた後に46歳で男子跣足カルメル修道会に入会。祈りの日々の中、折にふれて書かれたエッセイ集。日常の小さな気づきから本性の奥深い領域にある「祈りの泉」へと誘われる。読むだけでしんと心が静まり、心が整うような思いがする本。