「聖アンナ、私たちのために祈って下さい。」

大船教会の創立から70周年になる本年では、この教会の守護の聖人である聖アンナの記念日が日曜日に当たります。去年の教会委員会で何かを計画しようという提案がありましたが、全てはウイルスのことで流されました。結局、皆が集まって祝うこともできなくて、信徒一同の代表としてY2とY3地区の皆さんが教会で聖アンナを祝うことになりました。

 

この状況ですので代わりに何かができないかと考えてみました。 

 

先ずはどうして大船教会が聖アンナに捧げられたかということをもっと調べてみました。ご存知のように、聖アンナの名前は聖書に載っていませんが、古代教会の伝統によるものです。東方教会では聖アンナに対する信心が古くから見られますが、もう既に紀元6世紀に聖アンナに捧げられた教会が建てられました。西方教会(ヨーロッパ)では特に中世時代からこの信心が広がりました。

 

大船教会とのつながりは17世紀まで遡ります。1623年から1625年までの間、聖アンナが北西フランスの農夫に何回か出現して、その地域の昔の住民が持っていた聖アンナのご像の埋もれた場所を教えて掘り起こさせました。ご像の前で聖アンナの執り成しを願った人々にはたくさんの恵みや奇跡があったから、聖堂が建てられた町の名前を付けて、オーレーの聖アンナという名前で早くも有名な巡礼地になりました。その頃フランスを出てカナダに渡って住み着いた開拓者は聖アンナに対する信心をもって行きました。ケベックの北東にボープレという町を造った開拓者は1658年に教会を建てて、サンタンヌ・ド・ボープレ(ボープレの聖アンナ)教会と呼びました。建て終わらないうちに癒しの奇跡があって、その後も様々な恵みや奇跡が与えられたから、北米においてフランスのオーレーのような有名な巡礼地になって、今日に至っています。1878年からレデンプトール会の司祭がボープレの聖アンナ大聖堂の司牧を担当しています。終戦後、宣教師として日本に派遣されたケベック管区のレデンプトール会の司祭は、大船で教会を造ることになった時、300年も受け継がれた聖アンナに対する信心から、この教会を聖アンナに捧げました。

 

大船教会のルーツを共有すると同時に聖アンナに対するノベナ(九日間の祈り)を提案したいです。期間は7月17日(金)から7月25日(土)までです。一緒に集まってお祝いできなくても、それぞれの家で心を合わせて私たち皆の守護の聖人である聖アンナに祈れば「共に祈り、共に歩もう」ことになります。


聖アンナに対するノベナ ~ 九日間の祈り ~

 

聖アンナ、主なる神はあなたを選んで、聖霊によりご胎内に、いと聖なる乙女マリアの汚れなき御宿り(おんやどり)の神秘を成し遂げて下さいました。

 

愛する娘マリアに次いで祝福された母、救い主イエズス・キリストの祖母となる栄光を受けた聖アンナよ、私たち大船教会の信者はあなたを守護の聖人として仰ぎ、主イエズスを喜ばせるために、あなたを私たちの天の祖母とします。ああ、聖アンナよ、私たちを愛しい孫のように見守り、あなたの神聖な孫である主イエズスに一層深く結ばれて、益々み心に適う共同体になれるよう祈って下さい。私たちが主イエズスの愛に生きて、聖霊の喜びと平和のうちに、その愛を周りの人々に証しすることができますように。 また、私が個人的に必要としている次の恵みを戴けるようお祈り下さい。 (意向を唱える)

 

(九日間は毎日唱える)