図書室より 新着本情報(6月)

 

6月に図書室に入った新刊をご案内します。

  • Legacy  遺産  原作者 G.グアルティエーリ 著者/翻訳 上杉宗聖  朝日出版社
    天正遣欧使節団は日本にとってよりも、西欧にとっての大事件だったという説がある。これは1586年、ローマで出版された『日本國使者到来の報告、(中略)並びに通過した諸国王侯の歓迎の記録』の訳書である。新大陸発見から約100年後に、未知の国日本からキリシタンの「王子」たちが、遠路はるばる教皇に参謁しにやってきたことは、スペインやイタリアの人びとを熱狂させた。教皇さまの寵愛や、道中の教会や貴人たちから受けた美々しいもてなしの数々が、当時の様子を髣髴とさせる。

  • 黙示録から現代を読み解く  英隆一郎  女子パウロ会
    本書が出版されたのは今年2月。リーマンショック、東日本大震災、激化する自然災害などを踏まえて書かれたのだが、今新型コロナの渦中に読むと、さらに考えさせられる。「このような停滞と危機の中、キリスト者はどう生きていけばよいのか、教会はどこに向かっていけばよいのか。危機の時代を読み解くため、テキストとして黙示録を使ってみた。本書を通して、混迷する中で一条の光を見いだし、歩んでいく励ましが与えられることを願っている」(まえがきより)。

  • 聖書物語  木崎さと子  角川ソフィア文庫
    入信して間もないころに、犬飼道子さんの『聖書物語』を読んだが、時代はそのときどきの『聖書物語』を必要としているらしい。「かぎりない豊穣から百粒の種をいただく気持ちで、百の物語にまとめてみました」という構成は全体の見通しがよく、間にはさまれる時代背景や、最新の聖書研究の解説もわかりやすく、読みやすい。

  • 小説 聖書の女性たち  木崎さと子  日本キリスト教団出版局
    前述した『聖書物語』を書きながら、著者は人びとの営みや感情に思いをめぐらせました。小説家の想像はとどまるところを知らず、それがこの「小説」に結実しました。エバ、聖母マリアをはじめ、イエスに出会った人、歴史上の猛女、悪女。信仰に生きた従順でもあり、行動的でもあった30人の女の物語。