図書室より 新着本情報(9月)

 

9月に図書室に入った新刊をご案内します。

 

  • キリスト教とは何か⑨「混迷の闇を越えて」 粕谷甲一 女子パウロ会
    平易な語り口に導かれて読み進むうちに、めくるめく信仰と神学の深みに引き込まれます。絶望にかられての自殺や犯罪を防ぐのに必要なものは、「あきらめる心」でも「単なるなぐさめのことば」でも「暗室のひとときの憩い」でもなく、心を刷新する正体不明の上からの力と、どん底で空っぽになって死んで下さったイエス・キリストの姿だと語る。「イエスが答えを下さるのではなく、イエスが答えなのです」。ヨハネ・パウロ二世の「謝罪宣言」についても詳しく触れられています。

  • 「ロザリオ」~信仰の花束~ ジョマル・ヴィグネロン 教友社
    著者はブラジルで宣教している労働司祭。ブラジル人の熱心なロザリオの祈りに感激して、「イコンを見て、季節ごとに一つの神秘を黙想してロザリオの祈りを唱える」方法を提唱している。各項目は解説、朗読(昔の教父の説教)、祈りのことば、ロザリオ一連で構成されている。図版がたくさん入った美しい本。

  • 「赤いバラの歌」シスターのおしゃべりノート 今泉ヒナ子 ドン・ボスコ新書
    シスター今泉は、福島の桜の聖母短期大学学長を務め、後にコングレガシオン・ド・ノートルダム修道会の日本管区長となった方。マザー・テレサの来日時には通訳も務めている。読みやすく、明るい心持ちにしてくれるエッセイ集だが、「ケロリスト」とあだ名された楽観主義が、「キリストの苦しみと死を突き抜けた向こう側にある、新しい命」への信仰から来る明るさであることがよくわかる。

  • 「100人の聖書」 篠原元 イーグレーブ
    編者は1991年生まれの伝道師。本書は文学やスポーツ、経営から政治に至るまで、さまざまな分野で活躍した古今東西の有名人が聖書について語った言葉を集めたもの。

  • 「神さまに教えてもらった負けない心のつくり方」 ニック・ブイチチ アチーブメント
    生まれつき手も脚もないニック。どんなにいじめられても「手も足も出せない」。でも彼にはイエス・キリストの“いじめ防衛戦略”があった。いじめを克服するために誰にでもできる実に実践的な方法論。その中心には常にイエスがいる。現在伝道師として、世界中で講演活動を行っている。

  • 「『きよしこの夜』が生まれた日」 ポール・ギャリコ 大和書房
    クリスマス・イヴの日の朝、オルガンが壊れた。音楽なしで降誕祭のミサをあげる訳にはいかない。オーストリアの片田舎オーベルンドルフの若い司祭ヨゼフ・モールとオルガニストのフランツ・グルーバーは窮余の策としてほとんど即興でギター伴奏の讃美歌を作りあげました。世界中で歌われている「きよしこの夜」誕生秘話。

  • 「六市と安子の”小児院“」日米中で孤児を救った父と娘 大倉 直 現代書館
    ひどい虐待をうけた日本人の幼女が『日系人権擁護団体』にあずけられ、施設長の名をとってグレイス・クスモトと名づけられたというニューヨーク・タイムズの記事を目にしたことから、著者の楠本六市さがしが始まった。1873年九州に生まれた六市は、いかにしてキリスト教と出会い、渡米し、孤児院を作るにいたったか。六市の養女となった安子(グレイス)も、後に上海で孤児院を運営することになる。移民の時代に国際的に草の根の活動を続けた親子の物語。