「決められた道を走りとおし、信仰を守り抜きました」

6月20日に亡くなったバーク神父様は多くの人から慕われた司祭でした。様々な司祭がいますが、主に選ばれた司祭にはそれぞれに賜物が与えられています。私の印象ですが、バーク神父様の賜物は特にその暖かい心と明るい性格で人々を自分に引きつけてキリストに導いたことだと思います。葬式の挨拶で神父様の姪のマリタさんは彼が親族に与えた影響を次のように語りました。

「彼の日々の活動についてあまり話しませんでしたが、彼の数々の役目からして、彼はまさに慈悲の行いを実践した人生だったと思います。お腹が空いた人に食べ物を与え、喉が渇いた人に飲み物を与え、貧しい人や病人や囚人のお世話をしました。彼はカトリックとして模範的な人生を送ったと思います。彼が私たちに伝えた教えはいつまでも大切にします。彼の親族として、私たちは彼の為にも、今後も貧しい人々や不幸な人々を助けていきたいと望みます。」

 

ところで老年になった聖パウロは自分の人生を振り返ってこう書きました。

 

「わたし自身は、既にいけにえとして献げられています。世を去る時が近づきました。わたしは、戦いを立派に戦い抜き、決められた道を走りとおし、信仰を守り抜きました。今や、義の栄冠を受けるばかりです。正しい審判者である主が、かの日にそれをわたしに授けてくださるのです。しかし、わたしだけでなく、主が来られるのをひたすら待ち望む人には、だれにでも授けてくださいます」(2テモテ4:6-8)。

 

バーク神父様のお葬式に参加したら、この聖書の箇所からの一節が記念カードに載っていました。神父様が大船で私たちと一緒に過ごした期間は短かったけれど、一番大切でした。神父様は若い時から主に自分を奉献していましたが、私たちの目の前でその奉献を全うしました。神山の病院に行く前に神父様は私に告解と塗油とご聖体を頼みました。彼にご聖体を授けると恭しくそれを受け取ってしばらくお祈りしてから頂きました。

 

神父様は多くの人にどう生きたらいいかを教えましたが、私たちにどう死を迎えるかということも教えた気がします。信仰の歩みを続けている私たちは「決められた道を走りとおし、信仰を守り抜いて」から、最後に主の平和のうちにこの世を去る心の準備の大切さを教えられたと思います。