12月に図書室に入った新刊をご案内します。
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アウグスティヌス「心」の哲学者 出村和彦 岩波新書
アウグスティヌスがマニ教から改宗して、時のミラノ司教アンブロジウスから洗礼を受けたのは33才の時であった。修辞学の教授としてやってきたミラノで、野心や情欲に負けてしまう自分と向き合ううちに、このざまを見て、あわれみを覚えてくれるのはいったい誰であろうかと、人間の精神をはるかに超越した神に祈り始めたのだ。
聖職者となったのはその4年後、ピッポの町の人たちに突然司祭に推奨されてのことであった。一生を通じて、永遠の神を前にした人間の「心」について思索をつづけ、真理を探究しつづけた哲学者/神学者の伝記。